乳と卵/川上未映子

乳と卵
引き続き川上未映子さん。今回は小説。芥川賞受賞作だそうだが。
点や丸や括弧の位置が奔放で、しかも関西弁なので、非常に読み辛い。文章から意味を掬い取る前に言葉の壁に阻まれる。ネイティブ関西人にも読みにくいので言語の違う地域の人はどうなの?
でもそこには意味なんてなくて、怒って泣いて悩む人々の数日の動きしかなくて。カフェで大きめの音楽と他人の会話を聞くともなしに聞くような感じ。
子供を産まない女性の生理や誰の為の豊胸手術か、なんて内容が意外にいやらしくもなく、しかし緻密に書き込まれている、なんとも言い難い斬新な小説かも、と。
でも世の中の小説がみんなこんな風になると嫌だなあ。